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いにしえの知恵は現代にも通ずる

おおきに、おこしやす。 のほほん金糸屋です。

先日は勉強会に参加して二宮金次郎の七代目子孫の方の講演を伺ってきました。
題して「周囲を生かす豊かな人づくりと生き方の極意」というテーマです。

マキを担いで本を読みながら歩いている姿が有名な金次郎さん。
のほほん金糸屋は不勉強なので「偉い人」だという認識は持っていましたが、具体的にどのようなことをなされた方なのかは存じていませんでした。
でもそんな人は案外多いんですね。
金次郎さんはお亡くなりになる際にこんな遺言を残されたそうです。
いわく「(私の)名を残すな、行いを残せ。」 現代では残念ながら金次郎さんの遺言どおりにはなっていないようです。

そんななかで金次郎さんがどのような考えと行動をされたのかのお話を、とても興味深く伺ってきました。 のほほん金糸屋の聞き方とまとめ方なので正確性に欠けるかも判りませんが、がんばってまとめてみようと思います。

そもそも、金次郎さんは未曾有の洪水と冷害をもたらした「天宝の大飢饉」の時代に生きた農民だったそうです。
大飢饉の困難な状況の中で自然を相手に営む農業、人を相手に過ごす生活、果たしてどのように生きていけばいいのか?
その答えを見つけるために過去の文献を読み漁る姿。
それがあの有名な像のモチーフになっているそうです。

講演の中でのほほん金糸屋は3つの言葉が印象に残りました。
ひとつは「よき程に従い、よき程に逆らえ」
「よき程に従う」とは、困難な現状を良く知り、よく調べ、そして受け入れること。
「よき程に逆らう」とは、受け入れた困難な現状に対して、対策を立て、工夫をし、実践をすること。
「逆らう」よりも「従う」事に知恵を使わなければならないのかな・・・と感じました。

ふたつ目は「遠きを見るものは富み、近きを見るものは瀕す(貧す)」
「よき程に従う」ためには「よく知らなければならない」 それはむやみやたらと知識を増やすことではない。
知識情報は「感覚、感性、受信力」で理解をしなければならない。
感覚、感性、受信力を磨いて高めるためには、その対象を表面のみに見るのではなく、その背景や歴史を「イメージ」することが大切であること。

みっつ目は「報徳」
「Give and take」というのは「こんなに頑張ったんだから、報われるのが当然」という、いわば「見返りを求める利己的な考え方」
「報徳」とは対して「Take and give」である。
「徳」とは困難な現状であってもそれを受け入れ(よき程に従い)、それでも「幸せをイメージ」できること。
その受けた「徳」を世間に返していく「報いていく」、利他的な生き方が大切である。

う~ん、せっかく良いお話を伺ってきても、自分で噛み砕いてまとめきるのは難しいですね。
でもこれからも金糸屋を続けていくにあたって、生き方、考え方の部分でとても参考になりました。
江戸時代後期の方のお考えですが、困難な状況にある現代の日本の中でも通ずる考え方なのかな、という印象を強く受けました。

天保の大飢饉のなかで、その知識とリーダーシップでたくさんの農村を救った二宮尊徳さん。
今回は尊徳さんの教えを熱心に聞き入る「農民」の立場で、のほほん金糸屋は講演に聞き入っていました。

とても貴重なお話を伺えた機会に感謝いたします。

創業明治三十年 京都 金銀糸
株式会社 寺島保太良商店
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by tera-yasu | 2011-06-17 21:10 | その他
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