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金銀糸の小束のほどきかた

おおきに、おこしやす。 のほほん金糸屋です。
当店の金銀糸は少量でお求めやすいように「小束」の仕立てをしたものがございます。
これは日本刺繍用にお使いやすいように、100m長の金糸を20mごとにこよりを入れて仕立てたものです。
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でも、この小束をほどくのが少々コツがいるようで
せっかくお買い上げ頂いたお客様には
「ほどく際に糸が絡まってしまった」などの、ご迷惑をおかけすることがありました。
そこで今回のブログは「小束のほどき方」について解説させていただこうと思います。

まず頭の部分を束ねている「赤元結」をほどいてはずします。
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そうすると、20mずつに束ねている「頭のこより」(写真では左手)と、
全体を束ねている「お尻のこより」(写真では右手)に分かれて持ちます。
このとき頭の五つ並んでいるこよりの両サイドが、金糸の口が結んであります。
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「お尻のこより」のほうから指を入れて開いていくと、「輪っか」の状態になります。
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「輪っか」の状態から
五光やかせとり枠をお持ちの方は、枠にかけていただいて駒やボビンなどに巻き取っていただきます。
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かせとり枠などがないときは、写真のように「一升瓶」などにいったんかけていただいても良いかと思います。
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頭のこよりの両サイドが「口」になっていますので、
順番に引き出していくと絡まらずに金銀糸がほどけるはずです。
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少々わかりずらいご説明になったかもしれませんが、
ご参考にしていただけますと幸いです。
金銀糸のかせのほどき方などでも、
ご不明の点などございましたら、お気軽に何なりとお問い合わせくださいませ。

創業明治三十年 京都 金銀糸
株式会社 寺島保太良商店
web http://www.terayasu.com
Blog http://terayasu.exblog.jp/
Twitter http://twitter.com/terayasukinnshi
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# by tera-yasu | 2016-05-16 15:25 | 金銀糸

ほんきんし と まがいきんし

おおきに、おこしやす。 のほほん金糸屋です。

今日は東京から文化財を研究されている国立の施設の方がお越しになりました。
調査研究ということでいろいろとお話したりご覧いただいたりして、のほほん金糸屋なりに金銀糸のことを一生懸命お伝えしていました。
金銀糸に興味を持っていただいてとても和やかに楽しい時間が流れ、のほほん金糸屋もお役に立てたようなので少しうれしい気持ちになったのです。

が、お帰りになってから今日のお話のことを振り返りながら、ふと考えていました。
「文化財かぁ・・・」

研究施設の方との話題の中で上がった「本金糸」と「紛い(まがい)金糸」のこと。
いとへんに分けると書いて「まがい」と読みますが、純金箔以外の素材を用いて制作した金糸を、当店のみならず金銀糸業界では「紛い金糸」と表記してお客様に提供しています。
「まがいもの」の紛い。
すなわち、「この商品はイミテーションですよ」としっかりとお客様にお伝えしてお渡しすることが、我々の業界の商習慣なのかな?とも思います。

ほんで、つまるところ、ほんきんし と まがいきんし ってなにがちがうのん?

本金糸
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ソフト紛い金糸(ポリエステルフィルム純銀蒸着金糸)
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純金箔と純銀蒸着フィルムということで素材が違いますし、作り方も職人さんの手作業と工業的機械生産ということで大きな違いがあります。
結果、価格が違います。 本金糸は紛い金糸のざっと10倍以上のお値段です。

ところで見た目で違いが判りますか?
実際のところ紛い金糸って、本当に良くできているんです。

では、もう少し踏み込んだところで本金糸と紛い金糸って何が違うんだろう?
非常にざっくりとした表現ですが、

紛い金糸は使い勝手が良くて、洗濯や摩擦などの堅牢度もある程度あって、汎用性が高い。
本金糸は使い勝手が気難しくて、堅牢度はあまり期待できなくて、使用用途に悩む。

そうなると当然、世間で目にする金銀糸を用いた品物のほとんどは「紛い金糸」で作られたものとなります。
結果、本金糸のものづくりは苦境を迎えることとなっています。
残念なことですが、そらそうですわな・・・

では「本金糸」はもはや無用の長物になってしまったのか・・・
実はそんなことはなく、大切に扱われた本金糸は何百年でもその輝きを保ち続けます。
紛い金糸は純銀や染料塗料を素材としている以上、10年を超えて輝きを保ち続けることは実は難しいのです。

従来からのお客様はもとより、新しく金銀糸をご覧になったお客様も「本金糸のほうが美しい」との声をよく頂戴します。
性能や機能とは別のところで「本物の価値」というものは存在しているようです。
「希少性が高い」「輝きが長持ちする」といった事柄よりも深いところに存在している価値。
歴史性や物語性、地域や人の思いが積み重なった重層的な価値。
でもその「価値の具現化」には、正直悩み続けています。

現在、本金糸の活躍の場は日本各地域の文化的財産の新調修復と、和装関連の高級品といったところに限られています。
「本金糸がなくなったら困る!!」というお声を頂戴する以上、「本金糸」の輝きを絶やすことは許されないのかもわかりません。
それはとりもなおさず、苦しい状況に置かれている本金糸の作り手の皆さんの仕事と生活を守っていくことに他ならないのだろうと思います。

そのためには、のほほん金糸屋は「やっぱりほんものっていいよね^^」っていう「本物の価値」を、もっと具現化してお伝えしていく努力をしていきたいなと思います。
必勝法は無いかもしれません。
使命感とか危機感とか重圧(プレッシャー)とかもありますが、でもいろいろな方面で活躍されている皆さんと知り合いながら、知恵をいただきながら、協力していきながら本金糸の輝きを保っていこうと思います。

創業明治三十年 京都 金銀糸
株式会社 寺島保太良商店
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# by tera-yasu | 2016-02-03 19:32 | 金銀糸

来年もよろしくお願い申し上げます。

おおきに、おこしやす。 のほほん金糸屋です。

今年も無事に大掃除を終え、仕事納めを迎えさせていただくことができました。
変わらずご愛顧、ご支援を頂戴している皆様のおかげです。
改めて感謝申し上げます。

さてさて今年も一年、のほほん金糸屋もいろいろなことがありました。

当店の女性スタッフは実は昨年の9月から産前産後、育児休業を取得していただいていました。
無事に元気な男の子を出産されて、今年の11月にめでたく復帰をしてくれました。
小さな規模でやっているのほほん金糸屋では、スタッフ一人ひとりがとてもとても貴重な戦力です。
そんなに大したことはできないかもしれないけれど、それでも気持ちよく人生を送っていくための職場環境のあり方は少しずつでもよくしていきたいな・・・とあらためて思いました。
当店にもよちよち歩きの男の子がたまに遊びに来てくれます^^
のほほん金糸屋に関わるみんなが、豊かな人生を送っていけるようにがんばろな!

3月には北陸新幹線開業に合わせた企画で、和風総本家という番組で金銀糸作りを取り上げていただきました。
詳しくは以下のブログ記事をご覧ください。
http://terayasu.exblog.jp/21612725
京都の金銀糸づくりの模様がいろんな方にごらんいただける、本当に貴重な機会になったと思います。

今年は数年ぶりに地域のお祭りにお伺いすることができました。
満ち溢れたエネルギーに触れることでこちらもものすごく元気になれますし、何よりも地域の皆さんの思いをすごく感じることができます。
のほほん金糸屋の「宝物づくりのお手伝い」の原点はここにあるんだなとあらためて実感させていただくことができました。

経営革新や元気印中小企業、文化ベンチャーなど、行政機関からもいろいろな評価をいただくこともできました。

いろいろな取り組みの積み重ねが、またいろいろな展開への可能性を広げていく。
そう信じて来年も「金銀糸を通じて、地域やお客様の宝物づくりのお手伝い」に誠実な姿勢と丁寧な行動で取り組んでまいりたいと考えております。

来年は1月5日より営業を致します。
本年中はお世話になり、誠にありがとうございました。
来年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。

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# by tera-yasu | 2015-12-29 15:40 | その他

国産生糸のことで、おもうこと

おおきに、おこしやす。 のほほん金糸屋です。

のほほん金糸屋は金銀糸が専門で、とりわけ刺繍の職人の皆様がたにはお世話になっておりますねん。
そういったことからいろいろなご要望に応じて、日本刺繍に使う素材や道具、刺繍針や刺繍台なども取り扱うようになりました。

その中でも絹平糸(釜糸)も、取り扱いさせていただくことになってずいぶん年月が経ちます。
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素材として使わせていただいているのは、希少な国産生糸。
昨年「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界遺産に登録されたり、今年はNHK大河ドラマでも取り上げられたり、「群馬の生糸」は世界中から注目を受けている中ですね。
のほほん金糸屋もわずかながら、京都の原糸問屋様を通じて「碓氷製糸農業組合」様のものを仕入れさせていただいております。
問屋様にお伺いすると、やはり「だんだん手に入りにくくなってきた」品物のようです。
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しかしながらこの国産生糸、産業としての現状はきびしく、希少にならざるを得ない様々な苦しい事情も現実としてあるようです。
シルクの国内供給のうち、99.5%までが中国産やブラジル産等の輸入生糸でまかなわれているそうで、
つまり国産生糸のシェアは0.5%ということ。
品質面はもとより、価格面での競争にさらされて国内の製糸産業、養蚕産業はどんどん衰退していった現実があるようです。
それでも群馬県や山形県、長野県など各地で、生糸作り、製糸産業、養蚕業を残していく取り組みをされています。

ほんで・・・
のほほん金糸屋として思うこと・・・

コストの事やったり、品質の事やったり、商売としてはいろんな選択肢はあると思うけど、
うちのお店としてはやっぱり国産の生糸をでき得る限り使わせていただいています。

理由は直接刺繍をされる職人である当店のお客様が、「国産生糸の品質」を高く評価されていらっしゃることです。

ものを作るのに「こだわり」って、やっぱり大切やと思いますねん。
でも「こだわり」っていう言葉、よく使ったり聞いたりしますけど、つまるところどうゆう事ねんやろ?

のほほん金糸屋は「こだわり」=「価値観」じゃないかなって思っています。
でも「価値観」という言葉もまた、人の見方によって本当に多種多様ですよね。

価格であったり、機能であったり、利便性であったり、デザインであったり・・・
目に見えやすい定量的定性的な「価値観」
あるいは地域とか、歴史とか、文化とか、人の思いとか・・・
目に見えにくい重層的な「価値観」

実はそういった「見えにくい価値観」こそが、つくりあげた「もの」にも宿るんじゃないかな?
「見えにくい価値観」を大切にすることこそが「こだわり」なんじゃないかな?。
のほほん金糸屋は「伝統工芸」とか「伝統文化」といわれるような業界に身をおいていると、そう思う機会がちょくちょくあります。
でもそういう「見えにくい価値観」って、お伝えすることは実は相当難しい。
それは多分に情緒的な部分による価値観で、定性的定量的に計ることはできないから。

「文化的財産」として維持していく事と、「産業工業」としてビジネスを成り立たせていく事。
そして「見えにくい価値観」をお伝えしていくこと。

国産生糸も京都の金銀糸も、いわゆる「伝統工芸」と呼ばれる産業分野に従事している皆様も、抱えている課題はこういったことなのかもしれませんね。
ほんまに難しいテーマですが、、のほほん金糸屋もそういった「価値観」をお伝えする努力を怠ってはいけないと思っています。

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# by tera-yasu | 2015-11-19 15:34 | 刺繍

秋のお祭りと純金糸

おおきに、おこしやす。 のほほん金糸屋です。

純金十二掛と純金十四掛。
「地域の宝物づくりのお手伝い」
以前のお話になりますが、
かなりの大作にお使いいただく模様で、ほぼ1年がかりでの金糸の製作、ご納品を致しました。
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10月に入り、様々な地域で秋祭りの季節です。
皆様がお住まいの地域のお祭りにお出かけの際は、豪華な飾り幕や金綱もぜひご覧ください。
地域にお住まいの皆様の「つながり」や「誇り」の象徴としての「たからもの」。

そのような「地域の宝ものづくり」のお手伝いが微力ながらでもできているのであれば、のほほん金糸屋としても幸いです。

実はのほほん金糸屋もいろいろな地域のお祭りを見に行きたくなって、わくわくしてきてますねん^^

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# by tera-yasu | 2015-10-09 12:42 | 金銀糸